USELESS

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ハマるゲームとハマらないゲームがあり、最近やってたのはファイアーエムブレムの封印の剣で、ハマった。何でこんな面白いんだろうなと思ってて、まあ自分やっぱ戦略を考えるのが楽しいみたいなところはあるが、やっぱシチュエーションの多様さが豊かだとゲームは面白い。豊かでないもの、ただルーティンを冗長に繰り返すだけの攻撃ボタンを連打するようなもの、は面白くないしハマらない。風来のシレンとかやってても思うことだけど、その時々で、どうする?どうしよう?と考えてるときが一番ゲームしてるなと思うし楽しいよな。ファイアーエムブレムもそういう状況ドリブンなものがコアにある面白さで。別にストーリーとかキャラクター要素はあんま良いと思わない(が、これはブランディング優位性のための必然だったのだろうし目をつむる)。これがゲーム性として迷路を進みながら正解ルートをたどるだけならそれはまあ俯瞰できるレベルの探索木になるけど自由に駒を動かしていいよってなると大体1面あたり10、15ターンとかで自軍ユニットは16人くらい?を動かすわけで、トレメンダスなシチュエーションが生まれるはずなのよな。 段取りの良さと、リソースの分配が問われる。最終的な実行単位は敵拠点の制圧になるんだけど、どう進軍しようかってなるとやることとしては敵軍を殲滅するなり無力化するなりして道をつくり、そして進む。の2つだ。やってくる敵それぞれに自軍ユニットを向かわせても良いけど、今じゃなくていいことは後回しにできないか考える。敵ユニットを攻撃できないように誘導し遊ばせておけば、無力化したも同然だからこなすべき戦闘は絞られる、つまり自軍のリソースに余裕ができる。暴力ってのは余剰から生まれるから、それで叩けば良い。まあ強いユニットを育てるっていう育てゲーな面もあるけど戦略で勝つほうが面白いと思います。実行ランタイムとして、誰から動かすか、近づけて、武器を渡して、攻撃して、もし攻撃が当たらなかったりしたら救出する(本当に当たらないことがあり、この例外処理を忘れてはいけない)、みたいな行動が組めるようになってくるともう楽しいね。どうしようか考える、てのはゲームじゃなくてもけっこう楽しいことだが、しばしばゲームがなぜ現実よりハマるかってっと、実行の結果が、フィードバックがすぐ帰ってくるとこだよな。実際に動かしてみて、反応がある。インタラクションがあるってのは、ハマる要素の基本で欠かせない。が、そこに旨味が加わるとしたら、正のフィードバックであることが明示的である必要があると思う。戦闘をする。で勝つ。経験値がたまる。レベルアップする。もうこれだけでなんか嬉しいしもっとやりたくなっちまう。これを割と小さい単位でサイクルを回すとまあどんどんハマるわけで。あまりにも1つの達成までが長すぎると疲れて投げ出してしまう危険がある。例えば楽器の練習なんかも鍵盤を押してみてわあ音が出たってまあ音という反応があるにはある。けど根気のない人なんかは曲が弾けるようになるまでが続かない。だから最初は練習曲なんかをやる。別に曲じゃなくても3コードが曲っぽく弾けるだけで1つの小さな達成だし、それが楽しい!うわあ!てなった人間はどんどんハマっていく。もしうまくいけばの話だけども。ゲームに話を戻すと、予めそうした学習と達成のサイクルが設計されている以上、まあよっぽど飽き性な人でない限りはハマるようになっている(あるいはよっぽど下手で1面もクリアできないとか)。逆で、ヌルゲーがつまらないよってこともある。達成できるかどうか怪しいようなレベルのもの、これが一番やりがいがあり、おいしい。つまりハマる。俗にフロー体験などと言われますけども。この設計がうまく作れてかつ保てる人はゲームやってるわけでなくてもゲームに没頭してるような感覚にある。天才的な人間の特異な点はその脳みその能力、というよりは性向にあり、特定の分野の刺激に対する報酬の判断がウェイテッドな感じになってるとその正のフィードバックループを子ども時代から回していくわけでしょう。天才できるよな。実行と達成と報酬。が揃って実行回数が担保されるのだが、そのためには報酬を評価できないといけない的な。卵が先か鶏が先かになるけども。 ファイアーエムブレムに話を戻すんだけど(だいぶそれた)、ファイアーエムブレムといえば烈火の剣も小学生の頃から10万年のときを経てちょっと前に再プレイしたんだけど(友達から借りて途中までりん編までプレイした記憶ある)、でもなんか俺は封印の剣のほうがハマった。決定的に何が違うかってっと、戦闘の結果が蓋を開けてみるまで見えないところがあって、不確実性が成功の希少性を高めている的な感じがハマり具合をブーストしたのだと思ってる。攻撃の命中率が、100%必中ってのは珍しく、当たらないこともしばしばあり、それがシチュエーションの多様さにつながっている。敵軍を一騎つぶせると思ってたのに、あら潰せなかった、やばい次ターンで攻めてくる、となったときのケツの叩かれ具合ってか。特に序盤は全ユニット素早さが低く、攻撃が当たる前提で行動を組んでいくと絶対に崩れる。攻撃あてられない子ばっかだから誰かが外すだろうなって思いつつ、壁をつくるようにして進軍しながら、やっていく。で、やっぱ攻撃を当ててくれたときは嬉しい。必殺をだしてくれたらもっと嬉しいね。これが個々の戦闘を単調なものでなくしている(もちろんアニメーションとか音楽はOFFにしてて、派手な演出がなくても戦闘とその結果それだけでも面白い)。基本的なシステムは烈火の剣も同じなんだが、攻撃がちゃんと当たる前提でゲームを進められるってのは、それだけ考える要素が減るってことでもあり、少々物足りない。遊びやすいけどね。決まりきった結果を見るのか、まだ分からない結果を見に行くのか、そのどちらが、実行したときに、結果として報酬を感じられるか。自分でどうしよっかなあと考えて、そのシチュエーションごとの手を打つ、で結果を見る。その繰り返しでハマっていくゲーム。考えてみたら古典的な設計かもね。