USELESS

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実は我々の審美眼はそこまであてにできず、ネットワーク効果というか社会評価の影響を受けやすい的な話で、面白かったのが、被験者1万4000人くらいにランダムな無名の楽曲40曲くらいを聴かせて、どの曲が良かったか投票してもらうみたいな実験で、対照群として8つくらいにグループに分けてやるんだけど、一人目実験室に入る、曲聴く、投票する、2人目、同様にやる、けど前の人が投票した結果は見れる、で3人め、前二人の投票結果つまりランキングを見れる、続ける、てんで、小さいネットワーク内での音楽チャートを作っていくんだけど、8つのグループそれぞれでランキングを勝ち抜いた楽曲が異なっていたという結果(実験に使った曲リストはグループ間で変わらない)。要は人気であることが人気になる要因みたいなことで、まあそうよなと。成功が成功を生む。でもまあ絶望するにはまだ早く、この実験の別バージョンがあり、今度は毎回、現時点でのランキングの逆さまになったチャートを被験者は見せられる。で曲をきいてって、投票する。と、最下位に見せられたトップ楽曲は沈んだままなのかといえば、そうではなく、実は徐々に登ってったみたいな話もあった。いやこの前ちょっと図書館で立ち読みした実験結果なんでうろ覚えですけど趣旨としてはそんな感じだった。その本の小話としてJKローリングがスティーブン・キングが別名義で本だして売れるかって実験してみて、まあ当然は良い出来だったけど売れ行きはイマイチでしたー、でも正体明かすとセールス10倍になりました。とか。てのでまとめとしては過去の実績とか知名度×その作品の出来で成功度合いが決まるよなって話になってて。まあ皆なんとなくは感づいてる(?)ことではあるよな。売れないミュージシャンなどいくらでもいるけども、まあ殆どはクソだが、天才的なのに売れずに死んだよなって人は多い。ニック・ドレイクとか(今やすげー影響力あると思うけど)。作品そのものの価値だけでは受容までにこぎつけず、ただバカに回るだけの社会と大衆だけがいるのみで、既に資本を持っているプレイヤーだけが有利に振る舞えるようになってる。ほかは大半が埋もれる。音楽だけの話じゃない。皆、大体、大きいものに巻かれる。それは現実だが、じゃあ一発あてれば良いのかってっと、そうでもない。いったん火がつけば、というように、火は放っておけば消える。問題はファイアマネジメントにあるように思う。焚き木をくべて最初に火をつけるとき、それは最初は非常に遅い。なかなか火がつかないってこともある。前日が雨で、拾ってきた木の枝が湿ってったりすると、なかなかマッチだけでは火がつかない。そこで新聞紙などをもってきて、丸めて棒にして、マッチで火をつける。それを焚き木の中に放り込む。すると細い枝なんかに徐々に火がうつる。でも新聞紙はすぐに燃え尽きる。ここにうまく細い枝をどんどん載せていって、次々に燃え広がらせていく。太めの木の枝に火がつくと、安定する。そうやって火が大きくなっていく。近くに丸太なんかを置いておくと、いつの間にか火が移ってて、それがかなり大きな火の元になる。こうなればもうしばらく手はかからない。火がついたら楽だけど、火がつくまでがだるいなーと少年の頃よく思っていた。キャンプでやるようなことと言えば、別のかまどから既に燃えてる木を拝借するなんてこともあったな。