USELESS

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今からあなたに学校の中を案内する。ここから階段を登っていけば3階に出る。踊り場からは廊下に出られる。そのまま廊下を東に進んでいくと渡り廊下につながる。B棟からA棟に繋がっているこの渡り廊下には両脇に窓が付いていて陽光が差し込んでいる。空中に浮かんだこの廊下は光の中にある。そのまま進んでいってA棟に出ると図書室がある。そしてその扉を開くと部屋の中が見える。その扉を開くと部屋の中が見える。そして私たちは開いた扉から中に入ろうとする。しかし実は扉の向こう側には何もない。文字通りに何もない。だから私たちはその中に入れない。扉の中に部屋の中に何かがあると見えていても実際には何もない。だから私たちはその中に入れない。仕方がないので私たちは手を繋いで戻ろうと思う。そのような形の愛しか語れない。